介護保険施設:特別養護老人ホームとは??施設を選ぶ際に役立つ情報

介護のはなし

こんにちわ!!妻のもろこしです(⌒∇⌒)

以前、介護保険のサービスについて「介護のはなし③」でお話しました。今日はその中の、介護保険施設の一つである「特別養護老人ホーム」についてお話したいと思います。

介護保険施設について

 介護保険施設は現在4つあることを以前お伝えしました(初めて聞く方は「介護のはなし③」を参考にしてください)。

 介護保険施設は、介護保険法で規定された施設で、自宅での生活が難しい人で、介護保険の要介護認定を受けている人のうち、病状が安定しており入院治療が必要ではないこと、が入所条件になります。

 費用について軽く触れておきたいと思います。

・入居一時金は不要

・月額費用は、生活費(居住費・食費・日常生活費)は自己負担要介護度別の介護サービス費(収入によって1~3割負担)がかかります。

※生活費(居住費・食費・日常生活費)は自己負担ですが、申請により所得に応じて減額される「特定入所者介護サービス費の支給」という仕組みがあります

特別養護老人ホームとは?

 介護老人福祉施設とも言います。略して「特養(とくよう)」と呼ばれることも多いです。

 この施設は、常時介護が必要で、原則要介護3以上の高齢者が入所の対象です。

 以前は、入所までに数年待ち、ということもありましたが、最近はだいぶ施設も増え、改善されてきた自治体が多いです。入所は申し込み順ではなく、本人の要介護度や在宅介護の困難度、緊急性などをもとにし判定し、必要性の高い人が優先されます。施設に直接申し込むか、市区町村の窓口で申し込みをします。複数の施設に申し込む方が多いです。

 基本的には、終身利用が可能ですが、看取りの対応は施設により異なりますので、入所前に話を聞いておくと良いです。医療機関ではないので、入所中に医療処置が必要となった場合、退所を求められることもあります。

具体的にどんな施設?

 食事

 1日3食準備をしてもらえて、午前中の水分補給、午後のおやつの時間にはコーヒーや紅茶なども提供してもらえることが多いです(どんな種類があるかは施設による)。水分の摂取が難しい方用に、お茶ゼリーやアクエリアスゼリーなどを用意している施設も多く、冷たいアクエリアスを入浴後の水分で用意しているところもありました。

 行事食が月に一回あったり、誕生日をお祝いするケーキを月一回おやつで出してもらえ、その日に誕生日会を行う施設もありました。

 さらに、行事の一環で、時々利用者さんとおやつ作りをしてみんなで食べる企画などをしている施設もありますし、毎月出前の日を設け好きなものを注文したり、外食の企画をしたり、利用者さんに喜んでもらえるよう施設によって工夫していました。

 人間にとって「食べること」は、大きな喜びにつながるので、施設を選ぶ際にも、食を大切にしているか、どんな工夫をしているか、はチェックすると良いと思います!

 以前私が働いていた施設で、行事食の日におしながきを全員に配布する施設があって、おしながきのイラストを毎月描かせていただいていた時がありました。利用者さんによっては、おしながきを大切に持ち帰ってくれ、イラストを見て喜んでもらえるのが、とてもうれしかったです(⌒∇⌒)

入浴

 どの施設も基本、入浴は週2回でした(最低週に2回は入浴することが定められています)。

 温泉のような大きなお風呂(一般浴)、個浴(自宅のお風呂のような一人ずつ入るお風呂)、歩くことが困難な方や座位をとることが困難が方もいるので、特殊浴(機械浴)も設備としてあり、その方のお体の状態に合わせて入浴ができます(個浴か一般浴のどちらかしかない施設もあった)。施設によって設備が違うので、個浴でマンツーマンの入浴介助をしている施設もあれば、複数人の介助を同時に行う場合もあり、そのあたりも、入所前(申し込み前)の見学時などに聞いてみると良いと思います。

生活環境(お部屋)

 どんなお部屋かも、施設によって大きく違いました。

 まずは生活環境が、大人数なのか?ユニット型なのか?によってだいぶ変わります。

 大人数の場合、例えば1フロアに40名の利用者さんが入居しているとして、その全員が食事の際は食堂に集まりご飯を食べる、という状況になります。環境としては、だいぶにぎやかになります。

 ユニット型の場合、10名ほどの利用者さんが1ユニットで生活をしており、そのユニットごとでの生活になるので、浴室や洗濯機などもユニットごとにある施設もありました。少人数での生活になります。

 さらに、部屋のタイプも施設により異なり、全室個室の施設もあれば、2人部屋、4人部屋、もあったり様々です。部屋のタイプによって料金も変わります。

 これまで様々な利用者さんのお話を聞きましたが、部屋の好みも色々で、個室はプライバシーが守られ、気も遣わず暮らせるので個室がいい、という方もいれば、一人はさみしいから大部屋がいいという方もいました。

日中の過ごし方

 特別養護老人ホームは、常時介護が必要な方が入所しているので、長時間起きていることがつらい方も多いです。適宜休息の時間を設けながら、生活にメリハリをつけ、夜に気持ちよく眠れるよう、日中レクリエーションをしたり、天気の良い日は散歩をしたり、リハビリをしたり、その方の体調や体力に合わせて過ごしています。

 リハビリに関しては、すべての施設で行っているわけではありませんが、ある施設では週に一回リハビリの先生がきてくれ、日常生活の中でできるリハビリをおしえてもらい、介護職が指導を受け、普段の生活にリハビリを取り入れているところもありました。

 レクリエーションについては、どのくらいやっているかは施設によって、まったく違いました。毎日レクリエーションの時間を決めてやっている施設もあれば、できる時にいつでもやるというスタンスの施設もあります。中には、あまりレクリエーションに力をいれていない施設もありました。一言で、レクリエーションと言っても、ゲームや、歌や、体操とクイズを合わせたり、もの作りだったり、たくさんの種類があります。私は、その時の参加する利用者さんに合わせて、内容を決めたり、その日の職員の人数によって、安全に行えるものを選んだりしています。いつでも、利用者さんに「ここでの生活たのしいな」と思ってもらいたい、という思いです。

 中には、レクリエーションがあまり好きではない利用者さんもいるので、声はかけますが、無理に誘ったりはしません。でも、以前あるおじいちゃんが、いつ声をかけても「行かない」といっていたのですが、ある日入浴後に部屋に帰らず、そのままレクリエーションに参加し、とても楽しそうに笑顔でいたことがありました。自由に、いつでも、参加してもらえるように、楽しいと思ってもらえる場を常に作っていることは大切だなと思いました。

 また、週に1回ボランティアさんが喫茶店をひらいてくれたり、アニマルセラピーで犬やねこと触れ合える機会があったり、傾聴ボランティアさんがきて、利用者さんとたのしくお話をしてくださったり、施設ごとに、地域も巻き込み、いろんな取り組みをしています。

 施設に入所を考える際は、そういう部分も見たり聞いたりした上で、施設を選ぶと良いのではないかと感じます(^▽^)

ドリームプロジェクト!!!

 私がこれまで出会った施設で、とてもいい取り組みだな~と思ったものを紹介します。

 それが「ドリームプロジェクト」というものです!!その施設では、順番で、毎月数名の利用者さんの夢を叶える!という取り組みをしていました。

 例えば、「お墓参りをしたい」とか「家族とラーメンを食べに行きたい」とか「いちご狩りに行きたい」など、人それぞれの夢をうかがい、相談員さんが付き添い、ご家族も巻き込み、夢を叶えるものです(⌒∇⌒)

 ドリームプロジェクトで夢が叶ったあとに、その時の写真をいつも施設に掲示していて、利用者さんと家族が笑顔で写っている写真をみると、いつも私もとてもうれしい気持ちでした。

 特別養護老人ホームに入所している方は、自宅での生活が難しいので、施設を生活の場として選んでいます。納得できている方もいると思いますが、施設で生活するということは、長年暮らしてきた環境を離れ、自宅にもう戻れないかもしれないという不安や複雑な思い、諦めの気持ちなども抱えていることが多いのではないかと思います。それは本人だけではなく、家族も同じだと思います。

 そういう中で、入所した施設が「一緒に夢を叶えましょう!」と言ってくれ、人生の最期の最期まで一緒に歩んでくれたら、「ここを選んでよかった」と自分の人生も肯定できるのではないかと私は感じました。

 このプロジェクトは、もっと広がるといいなと、心から思っています(^▽^)

 私は、日本中のすべての施設を見てきたわけではありませんが、これまで多くの施設と出会い関わる中で、かなり施設によって考えや取り組みが違うということを感じてきました。選ぶ場所によって、人生が大きく左右されるので、このブログにより、多くの方にそれを知ってもらい、もしも、施設での生活が必要になった時には、自分に合った施設と出会ってもらえたらなと願っています。

 それでは今日はこの辺で(@^^)/~~~また次回お会いしましょう。

 

 

 

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